2014年8月13日水曜日

夏休みは差がつく時!

この前の記事「教育観の方向修正」で紹介した書籍「天才! 成功する人々の法則」に載っていた研究で、もうひとつ子育てに関係のありそうなものがあった。

アメリカの公立小学校において学力テストの成績の変化を小学校1年生から6年生まで追いかけたこの研究では、親の社会的地位や経済状況で子どもたちを高・中・低にわけている。

そして、それぞれのグループの子どもたちの学力の変化を調べると、1年生のときに存在していたグループ間の小さな差が6年生の時には3倍になっていることがわかった。

ここまでなら、家庭の経済格差が子どもの学力に及ぼす影響として、日本でも広く確認されている現象なので、よくある話。

ここからが面白くなるのだが、この学力の変化を授業期間と夏休みに分けて分析すると、授業期間中の学力の伸びは3つのグループの中ではあまり変わらない。では、6年生のときの大きな差がどこで生まれてくるかというと、それは夏休み。

低と中のグループが夏休みに毎年ほとんど伸びがないのに比べ、高グループは毎年著しい伸びを示していた!

夏休みの間に何が起こっているか。

高収入の家庭では、子どもをひっきりなしにサマーキャンプや各種プログラム、コンサートなどの文化体験にかり出しているし、家で暇になったら本も多いし、環境が整っている。こうした経験を通じて国語と算数の学力が伸びていく。

一方で、低収入の家庭ではサマーキャンプに送るお金はないし、親が各種プログラムに子どもを送迎することもない。家には本もないから、子どもが飽きたらテレビを見るぐらい。それでも、友達を作り、外で遊び、映画にも行き、楽しい夏休みを過ごすのだけれど、事実としては、こういった活動は国語と算数の学力を伸ばす役には立たない。

結果として階級間の学力の差がどんどん大きくなっていく、というのがひとつの解釈だ。

ここまで大きな差が夏休みだけで生まれているのは、アメリカの夏休みが3ヶ月もあることも大きく影響しているだろう。日本の夏休みはもっと短く、最近では実質1ヶ月ぐらいしかない。



この本の著者マルコム・グラッドウェルのメッセージははっきりしていて、人生の成功をもたらすのは持って生まれた能力ではなく、積み重ねた努力であるということ。

もちろん、低学年のうちに長時間机に向かって勉強をさせることが良いというわけではないが、なおの教育を考えるにあたって、よく考えておこう。

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では我が家の夏休みはどうかというと、そこまで徹底して環境を整えてやってはいないような。

とりあえず、本だけは大量にあるかな。

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