2017年10月3日火曜日

「英語やプログラミングの前に日本語力が必要」?

もう1年以上前だけれども、日経新聞の「英語やプログラミングの前に日本語力が必要」という記事が話題になったことがあった。

東大に受かるAIを開発しよう!というプロジェクトで有名な新井紀子教授の研究で、AIの開発よりも、日本の子どもたちの日本語力が心配だ、という話だった。

その後、研究分野をAIから読解力へと切り替えたらしく、先月、「中3『教科書理解できない』25%…読解力不足」だとか、「『子供は読めているのか』診断テストを開発」といった記事が各新聞の紙面を飾っていた。

新井教授の「デジタライゼーション時代に求められる人材育成」というペーパーのプレスリリースらしい。

「リーディングスキル」なる能力を測るテスト、というのを提唱しているのが新しいそうだが、面白いのだが、このテストで測られる能力は、「性別・得意な科目不得意な科目・一日の学習時間・スマートフォンの利用時間・読書の好き嫌い(5段階)・好きな本のジャンル・今月読んだ本の冊数・新聞購読の有無・通塾・習い事など」とは一切関係がなく、かつ通っている高校の偏差値とかなり強い関係があるのだとか。

新井教授は、だからこのリーディングスキルを伸ばす教育を!ということらしい。

ペーパーの結論としてはこうまとめてある。
中学校卒業までに少なくとも8割以上の生徒が中学校の教科書や新聞程度の文章を、苦にせずに正しく読むことができるように教育するために、どこかから授業の時間をひねり出す必要がある。プログラミングや英語は、現状の中学生の読解力状況を考えると、無理であり、かつ、無駄と考えられるため、導入については再考が必要だろう。
が、11歳児の父親としては、「授業の時間」を増やせばこの「リーディングスキル」なるものが身につくと考える、その根拠が知りたい。

本を読んでも、読書が好きでも、塾に通っていても、家で勉強をたくさんしていても、伸びないというこの力が「授業」をすれば伸びるのだろうか。それが分からないまま、いたずらに国語の授業の時間を増やしても仕方がない。

うちの子の場合でいえば、小学校で国語の時間を増やせば、国語の学力がすぐに上がる!という感触は一切ない。

さらにいえば、中学生の読解力が足りないからといって、プログラミングや英語が「無理であり、かつ、無駄」というのも乱暴な話だ。

まあ、論文ではなくて、「オピニオンペーパー」だから、こんなものなのだろう。

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