2011年2月22日火曜日

edu4月号「ホンモノの『英語脳』は小学生のうちに育てる」を読んでみた

Twitterで見ていると結構ポチッとしている人が多かった子育て雑誌eduの今月号、私も買ってみた。純粋にブログのネタに買って最初からツッコミ入れる気満々なので、そのつもりでこの記事をご覧いただきたい。

edu (エデュー) 2011年 04月号 [雑誌]edu (エデュー) 2011年 04月号 [雑誌]



まず、表紙の「わたしたちママ世代が、学校で英語が身につかなかったワケがわかりました!」と書いてあるのを見て、「そりゃ、あなたたちがしっかり勉強しなかったからじゃ…」と切り捨てそうになった(笑)

まあ、そこら辺にこだわっているとこの手の雑誌記事は読めないので、本文にいこう。

紹介されているホンモノの「英語脳」育成メソッドは3つ。

・ハーバード大がアジア人のために開発した英語メソッド、Graded Direct Method
・インターナショナルスクール
・くもん英語

さらに、最年少の小3で英検準1級合格のお子さんの家庭での取り組みが紹介されている。

まずは、Graded Direct Method、聞いたことがなかったが、1940年代に考案されたもので、そうとう古い。インパクトを強くするために記事を書いた人間が意図的にやっているのだろうが、ハーバード大「が」開発したわけではなく、ハーバード大「の」教授が考案したものだ。日本語に訳さないで直接理解させる、という直接法を「目からウロコ」とか書いてあるが、それこそECCの英語教室でもやっている。

GDMには、別の要素もある。一つは、850語に使う単語を制限したBASIC Englishというのを定め、とにかくこの850語以外を使わないようにして、様々な表現を可能にしよう、というものだ。そして、この850語に動詞は含まれず、動詞は"go, come, give get, take, put, make, keep, let, see, say, send, be, do, have, seem"だけを使うという。

ここで思い出したのが、有名なSF小説、「1984」に出てくるNewspeak(Wikipeidaの記事)。ただし、こちらでは語数を減らす過程で「自由」「民主主義」といった、ある種の政治的概念を表す単語がすべて削除されており、人々がこうした概念についてそもそも考えることすらできないように、人々をコントロールする手段としての言語としての役割を果たしている。

別にGDMのBASIC Englishにそんな意図があろうはずはないが、4歳児であるなおですら、すでに認識できる単語はおそらく3,000語を超え、発話できる単語も1,000語を超えているのに、小学生が学ぶ単語を850語に納めることにどれだけの意味があるのだろう。このBASIC Englishをマスターしても、結局何の役にも立たない、ということにはならないのだろうか。

"Buy"の代わりに"Get Something"で良いというのだが、"Buy"に含まれるさまざまな意味(お金と商品を交換する、とか)が抜け落ちて、"Get Something"に含まれる他の様々な意味とごっちゃにしてしまったら、それこそ、「英語で考える」ために必要な概念が頭の中で充分に発達しないだろう。

いわゆる直接教授法のはしりなのだろうが、歴史に埋もれて現代では主流になっていないのにはやはり理由があるのだと思う。

GDMのまとめとして最後に4つのポイントが挙げられている。

1.必ず音声を聞きながら覚える
2.「先生はネイティブ」にこだわる必要はない
3.覚える単語の数より幅広く単語を使いこなす
4.日本語に訳さない。英語のまま頭に入れる

ここだけみると、確かに小・中学生ぐらいに英語を教えるには確かにそうだよねえ、という項目ばかり。ただ、これで、「英語が身につく」のなら、英会話教室に通っている小学生はみなペラペラだろうし、学校でこればっかりやっていたら、大学受験時の英語力は壊滅的になるだろう。

***

次は、インターナショナルスクールの話。幼稚園から高校までインターに通えば、確かに「英語脳」(それがなんであれ)になるとは思うので、ここはスキップ。日本語脳をどうするのか、という問題、さらには学費、アイデンティティ、色々な問題が残るが、選択肢としては存在する。

***

公文の英語に関しては、記事を読んでわかったのは、英語でもやはり、公文独特の、細かいステップで段階的に上達できるように設計されたプリントを大量にやる、ということだけだった。公文でも、ペンで教材をタッチしてくれると発音してくれる教材、イー・ペンシルなるものがあるらしい。

そんなにすばらしいなら、学校教育でも公文式にしてしまえば良いと思うのだが、まあ、そうはいかないのだろう。地域の子どもすべてを受け入れて、一定の教育効果を上げなくてはならない小学校と、高めの月謝をとってキメの細かいフォローができる、さらには入塾してくる時点である程度粒のそろっている子どもを相手にする塾では、方法論が異なって当たり前だ。

***

最後に、「加藤さん親子の手作り英検チャレンジ」の記事がある。最年少の小3で英検準1級合格というのは純粋に驚きだ。4歳で児童英検ブロンズ〜ゴールド、さらに英検5級に合格だそうだ。

すごいな〜うちのなおは未だにひらがなも完全には読めないしな〜某R太郎君はひらがなももう書けるというのに〜そもそもアルファベットのワークを渡してもアルファベット書かないでぐちゃぐちゃいたずら書きするのは知能の問題じゃなくて性格の問題かな〜Raz-kids.comでも常にポイントをゴミのようなものにまで使い切る浪費癖が大人になっても直らなかったらどうしよう〜、と思考が二転三転、我が子と比べてやや鬱が入りかけた。

児童英検、実はこの前、ブロンズのお試しをしてみた。細かくは忘れてしまったが、画面にリンゴがでてきて、"This is a banana."とかいうのでつい笑ってしまった(○×で答える問題だったと思う)。なおと一緒に、ばからしいねえ、といいながらお試し。感触としては、たぶん、ブロンズは受かるだろう。ゴールドあたりになると、小学生の常識みたいなものが必要になるので、ちょっとわからない。

そして、英検となると、とても一人で座っていられないに違いない(爆) そもそも、レストランでも自分の食事が終わった後で飛び出すからなあ。

いや、うちの子はきっと小学校に入ったぐらいで伸びるんだ!という希望を持っていこう(小学校になったときには希望を中学校に繋ぐかもしれないが)。そして、別の記事の「ほかの子と比べない。そのままの君でOKと認める。」「よいところを探して、たくさんほめる」このあたりを自分に言い聞かせよう(^^;

記事の、日常で遊びを取り入れて英語を勉強を、というところでは、あまり新しい情報はなかった。親子英語ブログ村に1年以上いれば、この程度の工夫は見るな〜という程度(でも、手作りの英語カードの質は高そう)。英語版ドラえもんコミックも良く知られているし。

日常の働きかけをどこまでコンスタントに、着実にできるか、というあたりで、成果に大きな違いが表れるのかもしれない。

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12 件のコメント:

sa-chi21 さんのコメント...

おはようございます。
私も思わずポチッた人ですが、
親子英語マニアにとってはペラい内容でした。

他の特集をじっくり読む始末^^;

あのGDMですが、外大時代にそうとはしらずにフランス語バージョンの本を買ってました。
最初の頃にはよくお世話になりましたが、あれも単調すぎて目的意識がなけりゃ続けられないんですよね~。あのシンプルすぎる絵(笑)

りゅうママ さんのコメント...

小学校3年で準1級^^;
私も持ってますが、合格点ギリギリで、分からない単語だらけだったの覚えてます(笑)

なおぱぱさんの「あなたたちが勉強しなかっただけじゃ・・」っていう言葉・・耳が痛いです(笑)
それは本当にそうなんですよね^^;;


あ、うちもまだまだひらがなも書くの怪しいです。
英語で日記書けちゃう子だってたくさんいるのに、簡単な単語も綴れないし~^^;;

マンゴー さんのコメント...

はじめまして、こんにちは。
興味深い記事をいつも楽しく拝見しております。

おっしゃるとおり850語に絞ることには無理がありますね。これは小学校英語から始めるお子さん向けなのでしょうかね? 限られた時間で結果を得るには有効な方法なのかなぁ、と。

うちは3年間海外にいたのですが、すべての基礎はやはりインプット量だと思っています。850語使いこなせるようになるには、いったい何千時間聞き、何千語覚えなくてはならないことか!

ちなみに6歳児ですがひらがなは完璧ではなく、英検も恐らく無理です(*_*) でも、ある日突然できたりするので、ホント親の方が気長に行かないと続かないですよね~。

Cassis さんのコメント...

なおぱぱさんがママさんたちを切り捨てようとした(未遂?)そのセリフが、わが身にも突き刺さる・・・(爆)

英検って、問題も英語で書いてあるんでしたっけ??
日本語だとしたら、小3で設問が読めるっていうことの方がスゴイ!(笑)

そして、ここのところずっと、なおくんのポイント交換での浪費癖を気にしているのも、なんだか分かるような笑えるような・・・。
うちの妹が、駄菓子屋で10円をいくつも浪費するタイプでしたが、いまやお財布の紐の固い人になってます。 大丈夫です。これからですよ~(^^)

ブログのネタにする気で雑誌を買っちゃうってところが、人気ブロガーの定めですかねえ(笑)

苺ママ さんのコメント...

ブログネタに購入ですか(笑)

「ほかの子と比べない。そのままの君でOKと認める。」って、某R太郎は文字は書ける様になってきましたが、他の事はついつい比べそうになり自制する日々です(汗)
お友達は自転車の補助輪がもう取れてる!!とか。オムツもそうだったなぁ。
気長に待てばいつかは出来る事ばかりなんですけどね〜

子供英語に関しては、なおぱぱさんが取材を受けた方が濃い内容になるかもしれませんね。いつかそんな依頼が来るかも(^m^)

でもこの記事を読んで、この雑誌が読みたくなりました(^^)
つっこみ入れる為に立ち読みして来ま〜す!

ましゅーママ さんのコメント...

はーい(^_^;)/、ここにもなおぱぱさんの言葉に耳が痛い人間が一人…

小学校で英語が始まるけれども、今まで何も勉強させてないわ~というご家庭向けの記事ですかね?

皆さんと同じく英語に関しては得るものはほとんどなく…ユニクロが来年3月までに社員全員TOEIC700点以上を目指す、というのにほぉ~と驚いたくらいです(^o^;)

あの雑誌は見出しに惹かれてつい手にとって見てしまうのですが、じっくり読むよりは流し読みすることが多いかな?

でも人気があるようで、市内で唯一蔵書している図書館では、最新号は貸し出し禁止、バックナンバーは常に貸出中で、棚はすっからかんのことがほとんどなんですよ。

この手の雑誌なら、プレジデントファミリーのほうがまだいいかなぁ?と思いながらも、とりあえずほぼ毎月チェックしております^^;

なおぱぱ さんのコメント...

>Sa-chi21さん

我々は親子英語「マニア」ですか。そうですよね(笑)
GDM、フランス語版にもあるんですね。直接教授法自体は、あの棒人間から色々進化して今に至るんでしょうね。

親向けの雑誌としては、プレジデント・ファミリーの方が内容が濃いと私も思います。

>りゅうママさん

いや、体育だって化学だって歴史だって、学校で勉強して身についていないものはいっぱいあるのに、どうして英語だけ学校で勉強したら身につくとか思うんだろう、と不思議になったんです。

読み書きは他と比べず、のんびり行きます(^^;

>マンゴーさん

最初から使える単語数をどんどん増やそうとせず、意味のある会話を初期の段階からできるようにする、というのは分かります。ただ、有効なのは小・中学生ぐらいでしょうか。最初の段階には良いのかもしれませんね。

インプット量、おっしゃるとおりだと思います。

>Cassisさん

決してママさんたちを切り捨てようということではありません(^^; 切り捨てるのは小学館の編集者です!

3,4歳ぐらいで今食べないで我慢したらキャンディを2個にしてあげる、と言われて、我慢できるかどうかが大学受験時の統一試験の成績に影響する、というアメリカの調査結果があるんです。それで、うちの子はどうだろう、と考えると…(^^; でも、妹さんの話をお聞きしてちょっと安心しました。

>苺ママさん

勝手に名前だしてすいません(^^; とにかく私の中ではとても賢い男の子として確固たる地位を占めているので、つい。

私は実践派というより理論派で、ああでもない、こうでもない、と語るだけなんで、取材受けても駄目ですね。「ビデオ見せまくってます」とか、記事にできません。

親子英語が趣味というより、ブログが趣味ですね。そのためなら雑誌の1冊ぐらい(笑)

>ましゅーママさん

なにせ「ホンモノの英語脳」だし、インターの紹介もあるので、もっと真剣にペラペラのバイリンガル!とか狙っている層がターゲットのような気もしますが、記事を読んでもピンときませんでしたね。何もやってない層や大手英会話教室に通わせているが納得していない親に、公文の宣伝をするだけのような(笑)

masyaまま さんのコメント...

こんにちは。

なおぱぱさんのブログを読んで、PCそのままにしていたら、旦那様がこの記事を読んだようです。

「この雑誌の内容は微妙だと思うけど、君のしてる英語育児は不可思議だよね。うちの奥さんはどうして何事もキワ(際)を歩くかなぁって思うよ。」

という感想を頂きました~(笑)

いえいえ。私の行動は親子英語の世界ではキワでなく王道です!!(かねぇ?)

注)《きわ・際》「ぎわ」の形で、他の語と複合しても用いる1 あと少しで別のものになろうとするぎりぎりのところ。境目。

検定親子アルファ さんのコメント...

いきなりすみません(^_^;)
小3で準1男児の母アルファです(笑)

全体的にツッコミどころ満載の記事でしたよね。
ブログにくわしく書いてくださる方がいてくれてよかった。

私もそう思っています。

今回のedu英語特集は、英語濃度が低い一般の小学生親子を対象にしているので、とにかくハードルを下げて、ということだったみたいですよ。

それに、家であの程度の「ペラい」ことをのんびりやったくらいで準1に簡単に通るものでもありませんし(笑)
うちの坊主は4回、英検準1級を受けました。何度も落ちてそのたびに打ちのめされて、諦めかけましたけど、最後はイメージトレーニングで合格したようなものです。

気分転換にTOEICやら漢検、数検受けたりもして。

私たちの記事のところの間に、英検の広告ガドッカンと入っていたのも、なんだかな、て感じでした。

そもそも、
「お母さん世代は英語が嫌い」というところからスタートしているのも、どうなんでしょうね。

10年後に英語アレルギーにならないために、小学生のうちから英語を、という「シメ」も脱力ですね。

英検は次はやっぱ1級を目指そうと思っていますが、その前に親子でTOEIC900点をクリアしていこうと考えています。

ブログで
eduの訂正記事も書いています(笑)よろしければぜひ、のぞいてやってください。

なおぱぱ さんのコメント...

>masyaままさん

いや、私もどちらかというと、masyaままさんは際の方ではないかと(笑)
絵本、DVD、語りかけというのは王道なんですけど、それぞれのチョイスが(笑)

>検定親子アルファさん

ご本人からコメントをいただけるとは!ありがとうございます。

やはり、あの程度の「ペラい」ことでは準1級は受かりませんよね(^^; いや、どんなことやったって、普通は小学生で準1級は受からないと思いますが(笑)

実はブログ拝見していました。「英語教材完全ガイド」も見てみました。本音バリバリで、こんなの書店で売って大丈夫かな、と心配になるほどでした(笑)

うめ★hiro さんのコメント...

親子英語
ママ&太郎さんのブログ再開 心待ちにしています

なおぱぱ さんのコメント...

苺ママさんのブログは再開されていますよ!ランキングには登録されていませんが、新着記事にはリストされています。是非、ごらんになってください。