2013年8月28日水曜日

バイリンガルの弱点

今日は、以前、予告していてまだ書いていなかった、ずばり「バイリンガルの弱点」についてだ。

ともかく何か知りたいことがあると文献にあたるのが私のモットー。

ここでは以前紹介した、バイリンガルと心理言語学の専門家の本、"Bilingual: Life and Reality"から該当する箇所を抜粋して紹介したい。

*** 第18章 "Effects of Bilingualism on Children" より***

子どもの発達に否定的な効果がある、というのは古くさい作り話である。

バイリンガルの子どもは注意の振り分けを行うような問題解決課題において優れている。

一方、語彙の数では、バイリンガルは劣ることがあきらかとなっている。これは、状況によって違う言語に接するためである(訳注:1つの言語において経験する状況が少なくなるため)。

モノリンガルとバイリンガル、単純にどちらが良いとはいえず、長所も短所もある。

*** 紹介ここまで ***

また、一人の研究者の主張のみに頼るのも良くないかと思い、適当に検索して見つけたのが、2012年3月のNY Timesの記事 "Why Bilinguals Are Smarter?"だ。こちらも一般向けでわかりやすい。が、基本的には、上で紹介した本の内容とほぼ一緒のことしか書いていない。

バイリンガルがある言語を使っているとき、別の言語が「干渉」するものの、この干渉は必ずしも害をもたらすわけでなく、むしろ利点とも言えること、そしてバイリンガルは、自分の周りの状況に対応できる、より高度な能力を持っていると考えられる、と述べられている。

今のところ、バイリンガル教育を行った場合、弱点となりそうなのは、語彙力であることがわかる。そしてこの語彙力の不足は、単純に1つの言語に触れる時間が短くなることから生じる。

さて、この弱点は親子英語で育った子どもにも当てはまるのだろうか。

諸先輩方のブログを読んでいると、どうやらYESと感じている家庭が多いようだ。もちろん、英語をやらなかった場合の我が子の語彙力については調べようがないのだが、読書やテレビなどで英語に時間を割く分、同等の時間を日本語に費やしていればもっと語彙力が増えたのに、と感じている保護者の方がいるのは確かだ。

では、その対策について考えてみる。

答えは簡単で、より多くの日本語に触れるとしか言いようがない。

読書、科学や自然などの体験教室、映像など日本語のソースは様々だ。時間が限られている分、できるだけ良質なものに触れさせてやりたい。

そもそも、日本語しかやっていないモノリンガルであっても、日本語に触れる量と質は個人差が大きい。時間が限られていても、効率と質を高めれば、一般的なモノリンガル以上の日本語に触れることは十分可能なはず、というかそれを目標にしたい。

***

ディスカバリーチャンネルでやっていた番組、"Breaking Magic"をなおと一緒に見てみたところ、かなり面白かった。これは、さまざまな科学技術を使って、マジックショーを行う、というもので、普通のマジック番組と違って、タネで使った科学の仕組みを教えてくれる。

ディスカバリーチャンネルのウェブサイトで、少しずつだが見られる。



夏休みも終わり、ワークも通常運転に戻った。出張中も、一日分ずつクリアフォルダにやるべきワークをセットしておいたので、きちんと進めていた。横についてアドバイスしながらやるほど効果は見込めないが、毎日の勉強を進めてもらうのは重要だ。

Scholastic Success with Reading Comprehension G1は2/3程度、Down to Earth Geography G1は半分ぐらい進めた。終わっていないが、あまり厳密に考えず、ゆるりと行こう。

9月からはこんな感じを予定している。

英語:Spectrum Writing G1の残り
算数:Complete Curriculum G2のMathセクション

Writing G1は100ページのうち2/3ほど終わり、とうとう、まずアイデアを出して、その後下書き、校正、清書というフォーマルな文章を書くプロセスの練習が始まった。まだ、文字を書くこと自体を面倒くさがるので、ちょっとこのあたり早すぎるような気もするが、とりあえずはこういう流れで文章を書くのだ、ということだけでも理解しておいてもらえば良いだろう。

Writingに関しては、小学校のカリキュラムでどのように教えていくのか、少し教師向けのテキストでも読んだ方がいいかもしれない。

2年生のカリキュラムをすべて網羅する、というComplete Curriculumだが、リーディングが今ひとつだった(すべて選択式の回答)。すべて使おうとせず、必要な部分だけ選んでいこうと思う。



読み聞かせは昨日紹介した"How to Behave and Why"の続きと英語版ドラえもんの第6巻。昼は日本語版のドラえもんと、それから「ひみつ道具大事典」を1時間以上眺めていたので、またドラえもんブームが来ているようだ。英語版ドラえもんは6巻までしか手元にない。何度も読むので、残りも全部そろえてしまってよさそうだ。

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4 件のコメント:

りゅうママ さんのコメント...

語彙力か~。
確かにもし英語育児をしていなかったらもっと語彙があったのか?というのは永遠に謎ですね。

うちは特に語彙が少ないと思ったことないんですが、そうなのかな~??
0歳からずっと日本の保育園に行ってること、英語のインプット量は正直大したことないこと・・・を考えると、語彙のそこまで影響があるような気はしないんですが・・・^^;

でも今の時点で難しい語彙は英語しかわからないものはたくさんあります。これは本を読んでるからだと思いますが、その語彙が日本語で大きくなるまで欠けたまま育つ、ということは日本の小学校に行ってることを考えるとそんなこともないのかな~と。

どちらにしても、親の目に見えて日本語の語彙がほかの同年代の子に比べて明らかに圧倒的に少ないということがわかるぐらいの危うさなら、英語やってる場合じゃない!ということになるのかもしれませんね~。

なおぱぱ さんのコメント...

>りゅうママさん

おそらく、他の子どもと客観的に比べて明らかに劣っているとか、国語だけ平均以下で他の科目はみなトップクラス、とかそういうことではないんでしょうね。

日常生活で子どもの知らない単語があり、じゃあなぜだ、と考えたときに、やはり英語が理由だろう、と考えてしまうのでしょう。

高学年になって、中学受験なりなんなりで国語の勉強が本格的になってきたときに、英語をやっていなかったらもっと国語が伸びたはず、という想像に頼りたくなる面もあるんじゃないかな、と。

私は英語なんてやってなかったけれど漢字が苦手だったなあ、とか思い出します。

ともあれ、日本語もそれなりに注意していこうと思います!

リサ さんのコメント...

こんにちは。

日本語に触れる時間が少ないと語彙力が少なくなりやすいのは確かにあるとおもいます。実際、我が家の長女も随分日本語を普通に操るようになっていても、ん?こんな言い回しも知らなかったんだということがよくあります。


でも、モノリンガルの子が語彙力がすごいかというと、そうではなく、その子が育ってきた日本語の環境(特に量より「質」)でずいぶん違ってくると思います。


仕事で日本語のモノリンガルで周りに全く英語環境がなかった20歳前後の子と話すことも多いのですが、日本語の量が圧倒的だからといって語彙力が優れているとは思えません。特に気になるのは形容詞で、すべて「やばい」で済ませます。


いいことも悪いことも「やばい」ですませる様な人でも日本語ネイティブ=「日本語が教えることができる」・・ではないのと一緒で英語ネイティブ=英語の先生になれるではないのと一緒だなーとすごく思います。


なおパパさんもおっしゃっているように親子英語をしていて日本語に触れる量がモノリンガルの子より少なくなっていても、子どもが触れる日本語の質と効率を高める努力を親がすべきですね・・・。

それによってバイリンガルが持つ言語センスで質のいい日本語を操るようになれば、語彙が少ないという弱点が逆に「質のいい日本語を操るようになる」という強みになるかもしれませんね!


まずは、親の自分が質のいい日本語を話すようにしなくちゃいけませんね、、(;^_^A

なおぱぱ さんのコメント...

>リサさん

今に限ったことではないと思いますが、日本語だけで育っても必ずしも語彙力があるとは限りませんよね。

バイリンガルの語彙力の少なさは、全般的なものではなく、どの場面でどの言葉を使うかに応じて変わるのだと思います。

日本語のテレビ、たとえばバラエティを見ないで育つと、テレビで頻繁に使われる言葉に馴染みがなかったり。

おっしゃるとおり、家庭で質の高い日本語に触れることがまず第一歩ですね!