2014年2月13日木曜日

果たしてパズルで算数の力が身につくのか:思考力の話

親子英語ブログランキングに参加して、英語が大切!という価値観自体は揺らがないものの、英語さえできればよい、と思っているわけではない。

というか、英語さえできれば良い、などと思って日々の親子英語に取り組んでいる人に出会ったことがない。

そういう我々が気になるのが、以前も書いたが「考える力」だ。

考える力、思考力、いろいろ呼び方はあるが、論語にも「学びて思わざれば…」とあるように、昔から重要だと考えられてきた。

我が家ではあまり深く考えず、パズル系のワークが良さそうだな、と思ってやらせてきた。が、去年の5月に算数パズルのワークの記録を書いてから、あまり進んでいない(^^;

今回の素朴な疑問は、そもそもこうしたパズルを解くことによって、算数の学力がつくのか、というもの。



この数年の算数教育におけるパズルブームは、2006年ぐらいから始まったのだろうか。「なぞぺ~(1)」が出たのも、宮本算数教室の入門編が出たのも、この2006年だ。

我が家で集中的にやってきたのは学研の「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル」シリーズで(理由は後述)、表紙には「親が焦らなければ、お子さんは自然に賢くなるはずです。」とある。

裏を見ると解説があり、作者の経営する塾の話と、パズル問題集が出版された経緯が書いてある。これによると、もともと小4からスタートしていたこの塾で、小3からパズルをやらせたら「面白いんじゃないか?」ということで、やらせてみたら、大当たり、学力が大幅に伸びた、とのことだった。

この解説を今回初めて読んで気がついたことがふたつ。パズル開始が小3からなのか、ということと、教室では小4からはパズルは用いない、ということ。

小3からというのは塾への受け入れの都合もあるのだろうが、そんなに焦って幼稚園児の頃からやらせなくてもよい、ということでもある。

また、小4からはパズルを用いないというのは当然な話で、中学入試で出てくる問題をやらないといけないということだろう。パズルそのものが解けるようになっても、入試問題が練習せずに解けるわけではない、という意味でもある。



賢くなるパズルにはこの程度の記述しかないので、次は天才脳ドリルを見てみる。天才脳ドリルには3つのシリーズ、「仮説思考」「空間把握」「数量感覚」の3つがある。我が家で今のところ取り組んだのは、「仮説思考」と「空間把握」のふたつ。

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こちらの表紙には、「仮説思考力とは、習った解き方を思い出して問題を解くのではなく、仮説と検証を繰り返しながら、自分で解法や答えを見つける力です。このセンスを磨くと、難問に出会っても、『自分の作戦』で粘り強く考え、答えを導く、高い戦略性と思考力が身につきます。」とある。

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こちらによると、「算数や他教科で具体的なことを理解し、思考するためには、まずイメージできるか(空間把握能力・イメージ化能力)が重要です。このセンスを磨くと、算数の図形問題のみならず文章題までも頭の中で解けるようになります。さらには、全教科に通じる理解力と思考力が高まります。」だそうだ。

どちらの説明も本当にそうだな~と思う。ただ、同時にじゃあこのワークをやればこうした能力がばっちりついてとっても学力向上か、というとそう簡単でもないだろう。



実際には、この手のパズル、また算数の問題でもそうだが、ある種類の問題を解くための訓練をしても、すぐには他の問題に応用できない。分野を超えた「仮説思考力」なり「空間把握能力」なりがあるのは事実だが、それがパズルで鍛えられるという教育学的な証拠はない。

パズルを使って訓練すると、パズルを解く能力は伸びるのだが、それが他の分野にも波及するわけではないようだ。

ただ、知能とか学力というのは、あまり厳密に長期的な調査研究が行いづらい分野でもある。

各種の「考える力」が学校その他での知的活動を通じて長期的に育まれるのは確か。パズルワークも害にはならないのだから、我が家では、楽しめる範囲で色々と手を出していこう。

私の視点からは、パズルワークの利点はこのあたり。

1.楽しみながら(=負担なく)できる
2.「できた」感覚が、自己効力感へとつながる
3.学校の勉強と同じ「問題を解く」という行為に慣れる
4.段階を踏んで、より難易度の高い問題に挑戦できる

とくにここ数年のパズルワークが優れているのは、3と4だと思う。

宮本算数教室の算数パズルの謳い文句である「親が焦らなければ」「絶対に教えないでください」というのは、子どもに問題を解くという姿勢を身につけさせる、という3のためでもある。

***

昨日は、なおは学級閉鎖のためお休み。前日の微熱がちょっと上がってしまって、朝はとてもしんどそうにしており、やはり熱がある。結局、一日中布団の中だった。症状としては発熱と、微妙な吐き気、倦怠感とたまに頭痛。

私も熱こそないものの似たような症状なので、おそらく同じ風邪にやられてしまっている。昨日はお休みをもらって静養することにした。ついでになおままも体調がよろしくないので、結局3人で。

なおは一日のうち2/3ぐらいは寝ていて、残りはテレビでオリンピックの中継を見たり(我が家でなおが録画ではなく、放送している番組を直接見たのは、いつ以来だろう?)、いつものようにビデオを見たり。本もちょっと読みたがったが、しんどくて続かないようだった。読み聞かせもひさびさにねだられたので、短いものを少しだけ。

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2 件のコメント:

noname papa さんのコメント...

こんにちは。ツイッターでお世話になってます。

コツコツ型では思うように伸びないやっかいな科目として算数の学習法には興味を持っています。今のところ、算数の普遍的な美しさ(?)をいくらかでも感じて驚くことが学力を伸ばすことにつながるのかな?と、ぼんやり考えてます。多くのパズルは、達成感が得られるものの、その部分は欠いているみたいですよね(だから算数の問題ではなくパズルなんでしょうけどw)。面白い図形の問題をパズル的に使えないかな、などと思案してます。もちろん、パズルにはご指摘のような利点があると思います。楽しめる範囲で、に共感します。

なおぱぱ さんのコメント...

>noname papaさん

コメントありがとうございます!

中学・高校になってくると、数学は明らかに向き・不向きがありますよね。

数学の世界の美しさ、不思議に気づくことができたら学力が伸びる。確かに!私自身も、大学入試で似たような経験をしました。

パズルもすべてではありませんが、数学の世界に通じているものがありますよ。ソーマキューブとかタングラムなんかにはまっているのはたいてい数学者です。