2016年5月11日水曜日

読書は学力を伸ばすか

読書は学力を伸ばすか、という問いは、色々なところで検討される非常に重要な質問で、興味のある人も多いだろう。

個別のケースを見ていくと、学力が高くて本好きな子が多い一方で、本は読まないけれど勉強が出来る子もいたりして、よく分からない。

そもそも、本をたくさん読むから勉強ができるようになったのか、そもそも学力というか知力が高いから本が好きになったのか、わからない。

こうした問いに対して系統的な調査を行って政策の根拠とするアメリカでは、割と頻繁に研究テーマに選ばれていて、結論としては読書量は確かに学力に影響する、ということになっている。

読書によって育まれるのは、まず語彙力(過去記事「読書で語彙が増える?」)。これは間違いない。

では、読解の別の側面はどうだろうか。

直観的にはいわゆる読解力 (reading comprehension)にも良い効果がありそうだ。実際、元々持っていた読解力からどれだけの伸びるか、その伸びしろが増えるという研究結果が見つかった。

また、各種の一般的な知識(理科や社会に該当するものも含めて)も、読書量に大きく影響を受ける。



アメリカの研究では読書がもたらす良い効果が繰り返し確認されていて、だからこそ教育現場でも読書を促進するための施策が多くとられている。

一方で、日本の子どもを対象とした研究を見ると、読書時間と学力の間に関係があるわけではなさそうだ(たとえば文科省の委託調査研究のこれ)。一方、読書が好きかどうかは学力と関連がある。

学力に直接繋がるのはむしろ勉強時間で、上位25%の学力上位層では、勉強時間が平日3時間以上が30%も!

公立中学に進む小学生が一日3時間も勉強するわけはないので、日本の場合、一番大きな影響を持つのは中学受験をするかどうかなのだろう。

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3 件のコメント:

masyaまま さんのコメント...

ウチの息子は本をあまり読みません。
ゆっくり読書をする時間と環境を作ってあげられない生活を強いている親にも一因はあるのです、そこらへんは失敗したなと反省しています。(例外としては、いまだに、ゾロリを読みたがります。)

ただ、親心としては、国語の成績が上がるとか、頭が良くなるとか、そういう事とは別に、人生の楽しみ&心の豊かさのために、なるべく本を読んで欲しいなとはおもいます。



Layla さんのコメント...

本を読む子は学力が高い、はイコールではないかもしれないけど、確かに賢い子は多いと子どもの同級生や自分の周囲を見ていて思います。
成績には繋がらなくても、得るものは大きいと思うので、読むに越したことはないですよね。
しかし、保育士という立場から、幼児期に読んでおきたい本などを聞かれることが多いのですが、みなさん、本に過剰な期待をされているなと感じることが多くなりました。
きっと、その裏には、本を読む子=頭がいいというようなイメージがあるからだと思いますが、幼児期は、本を読みながらや読んだ後の対話が大事なのではないかと思わずにはいられません。
特に、先日のなおままさんのお話を拝見し、強くそう思っているところで、事後報告で申し訳ございませんがリンクさせていただきました(^^;)すみません��

なおぱぱ さんのコメント...

>masyaままさん

うちは夫婦で本好きなので、読書が楽しめるようになって欲しい、というお気持ち良くわかります!
masyaくんの年齢ですと、ゾロリで大丈夫だと思います。日本語の読書だと、うちもまだその先に踏み込めてないのですが(^^;

>Laylaさん

リンクありがとうございます(^^) 紙の本からデジタルへと媒体は変わっていきますが、やはり活字から得られる情報の密度は高いので、そういう意味でも、読書の重要性が下がることはないだろうと思います。

読書の量とか難易度が重要なのではなくて、本、ひいては知識と情報に対する子どもの態度が大切なのだと思います。

広く色々なことに興味と関心を持てる子どもに育って欲しいな、と思います。持って生まれた子どもの性質も大きいですが、特に就学前から低学年の頃は、色々な体験を通じて子どもの視野が広がっていきますよね。