2017年9月27日水曜日

「スペック」を上げたら英語はすぐできるようになる?

「林先生が驚く初耳学」(そういえば、この番組をお正月休みに見たんだった)というテレビ番組でのやりとりが、SNSで話題になっていて複数の方が感想を書いておられた。

なかなかにホットなトピックだけあって、親子英語ブログでも関連した記事がいくつかあるようだ(Yoshieさんの記事とか)。

本人の「スペック」を高くしたら、英語はすぐマスターできる、という林先生の発言の元となる考え方は、決して新しくも珍しくもない。

「最難関」と呼ばれる、高偏差値の中高一貫校に通う生徒たちの中には、中学から英語を始めたにも関わらず、猛烈な勉強で英検準1級ぐらい高校卒業までに受かってしまう子が出てくる。

そういう意味では、英語は中学校から始めても間に合う、という昔からある主張と同じで、まあ語りつくされたネタだ。

面白いなと思ったのは、「スペック」という言葉。知能指数とも近いが、知能指数は鍛えても上がらないことになっているので、これは、漠然とした脳の処理能力のようなものを指しているのだろう。

さらに、受験勉強することによってこの「スペック」が鍛えられることと、この「スペック」が万能で何を学ぶにも役に立つ、という素朴な信念があるようだ。



個人的には「高スペック」だけれども英語は話せない(だいたい読むことはできる)人を多く知っているし、英語に苦手意識を持っている人も少なくないので、「スペック」があれば英語がマスターできるとか、そんなに簡単な問題ではない。

東大理Ⅲ入学を最高峰とする、受験での学力を最大化する教育方針は、それはそれで現代日本では理にかなっている。が、それが万人にとっての最適解ではない。

受験勉強を通して鍛えられる「スペック」が万能で、人間の有用性の指標だ、みたいな壮大な勘違いが根底にありそうだ。

林先生は予備校の先生、かつテレビのタレントさんだし、大した根拠があって発言をしているわけでもなさそうだし、あまり真面目に捉えてもしかたない、ということだろう。

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2 件のコメント:

うーまー さんのコメント...

なかなかツッコミどころ満載で面白い番組でしたね〜〜( ̄∀ ̄)
林先生がお得意(らしい)matrix。。「英語が出来る」→「東大出身である」に置き換えても同じやん!と大笑いしてしまいましたw
個人的には「えー!そうなんですかー、衝撃的〜〜」と華麗にスルー出来る紗栄子さんの女子力の高さに拍手!な感じでした_φ( ̄ー ̄ )

なおぱぱ さんのコメント...

>うーまーさん

実は私は番組そのものは見ていませんが、そのお母さんの反応はお見事ですね。常識的には、東大に入れたいならイギリスに留学なんてさせないでしょうけど、真っ正面から反論すると角が立ちますしね。

番組の主旨自体が、すべてに精通した賢人が愚かな一般市民の勘違いを指摘するのを見て楽しむ、という娯楽番組でしょう。

幽霊番組を見て真面目に心配してもばからしいように、こうした番組を見て、早期英語教育の是非について考えても無駄なような気がします。