2018年7月3日火曜日

日本の小学校教育に絶望する

今日、小学校の算数の授業でなおが先生と揉めたそうだ。

単元「5 少数と分数の計算」での配布プリント。「洋服を買ったら5%引きで1400円でした。もとの値段は何円でしょうか。」という問題に対して、なおがたてた式は、1400 ÷ (100-5) × 100 =。

これに対して、先生が違う、という。正解は1400 × 5 / 100 = 70、1400 + 70 = 1470だそうだ。

なおは自分が正しい、と主張したが、先生は聞く耳を持たなかったそうだ。

この先生は算数担当の先生で、その後、担任の先生も加わって「教科書会社が間違っているはずがない!」との説明だったとか。

間違った答えを説明し続けるのできりがなく、最後は諦めて、納得したことにして帰ってきたそうだ。

この話を聞いて、心底からがっかり。

もちろん、なおの答えが正しい。

がっかりしたのは、まずはこの基本的な割合の問題を2人の教師が理解できなかったこと。別に数学教育が専門ではなくても、なおの解法が正しいのはすぐわかるはず(割り切れないけど)。これができないと、中学校の数学で落ちこぼれるだろう。

もっとがっかりしたのは、「教科書会社」(プリントを作成した会社が本当に教科書を出版した出版社かどうかはまだわからないが)が間違えるはずはない、という教師たちの判断だ。完全に思考停止している。たとえ割合の理解があやふやでも、確かめ算をして、1470×0.95をすれば1400円にならず、1470円が間違っているのはすぐわかる。

また、クラスの誰も同じような意見を持たなかったか、と聞いたが、誰も変だと思わなかったとか。中学受験をする子どもが何人もいるはずだが、大丈夫なのだろうか。なおよりも速く計算が出来る子もいるそうだが、1470円と答えていたそうだ。

なおには、1人だけでも自分が正しいと思うことを主張できたのは偉い!"I'm proud of you!"と褒めておいた。

***

日本の学校教育は、科目が何であれ、用意された正解を答えるのが目標になってしまっていて、非常に危ういと思う。そこには「考える」というプロセスが欠けている。

何が正しいかは、学校の先生や、場合によっては教科書会社が決める。生徒が考えるのは、何が正しい答えと想定されているか、までであって、用意された答えが本当に正しいかを疑うのはタブーだ。

日本の先生は勉強熱心で、研究授業や研修の機会がたくさんある。

でも、薄っぺらい。

小学校で本当に教えなくてはいけないのは、「学ぶ」とはどういうことなのか、そのための姿勢であり、基礎のはずなのに、実際に重視されているのは先生の言うことを聞かせることと、周りに合わせること。

教育目標が生徒にその場その場での断片的な「正しい」反応をさせる、というだけでは、すくなくとも学問的には薄っぺらい人間しか育たないのでは、と危惧している。

***

ネットで検索すると、このプリントは何年か前から使われているらしく、同じ疑問を抱いた子どもや親が質問しているのが見つかる。

出版社を聞いて、ちょっと問い合わせてみないといけない。もう出版社から訂正がでているが、なおの学校では気がついていない、というあたりではないだろうか。

にほんブログ村 英語ブログ 親子英語へ
にほんブログ村

2 件のコメント:

macha-_- さんのコメント...

斜め読みしていましたので、一瞬5%の消費税をつける問題かと思いました。
その先生方ヒドイですね・・・
家でさせてる問題のやり方がわからなくて学校の先生に聞きに行かせたら先生もできなかったっていう話は聞いたことありましたが、そんなに難しい問題でもないのに『あれ?』って教科書を疑問に思わない感性が問題ですね~。

なおぱぱ さんのコメント...

>macha-_-さん

根拠がとにかく「教科書の答えだから!」ですからね(本当は教科書じゃないけど)。
まあ、これが日本の教育、ということなのでしょう。
算数とか国語を教えているようで、実は「言われたことを事実として受け入れる」「言われたことを文句言わずにやる」、ということを教えているだけのような気がします。