2010年12月20日月曜日

「英語絵本100冊暗唱メソッド」を指南する「赤ちゃんからの英語レッスン」を読んでみた

「親子で英語目指せ2000時間+中国語」さんで鋭意実践中の「英語絵本100冊暗唱メソッド」 を紹介している本「赤ちゃんからの英語レッスン」を図書館で借りて読んでみた.

個人的に面白かったのは最初の方,昔,英会話教室で講師をしながら,指導方法に悩む著者の「中学に入れば3ヶ月で学び終える単語を,今お金を取って遊びながら教えている」というあたりがリアル.「英語を聞き取る力がついたとか,発音がきれいになったとか,そんなことからは程遠いレッスン」だったそうだ.つい先日,某大手英会話教室に体験にいったときの様子がまざまざと思い浮かぶ(笑)

その後,ディズニーの某有名教材に迷ったり,児童英検研究所の教材を始めたり,さらにCDや絵カードなどの教材を大量に買いあさる,というどこかで聞いたような話が.ちなみに,ディズニーを止めた決定的な理由は「ビデオの見せすぎが嫌だから」だそうだ.

その後,CTPを始めて,絵本を読み聞かせし,暗唱させるというメソッドに落ち着いたという.

具体的なメソッドの内容は

1.1日1~2時間英語絵本の朗読CDをかけながし
2.1日1回は親子で一緒に絵本を開いて,朗読にあわせてページをめくる読み聞かせ

これだけ.

注意事項はこの程度.

1.あえて説明したり訳したりしない
2.暗唱しなくてもだいじょうぶ
3.暗唱したら録音・録画で記録に残す

***

我が家もこれ,実践しているといえないこともないかな,とふと思った.特にORTのステージ1~3に最初に取り組んだあたりではこんな感じだった.

その頃の反応を思うと,確かに悪くない方法だと思う(ORTに出てくる文章を発話しまくっていた時,1年3ヶ月前の記事).

特に「読む」力を中心に鍛える方法なので,中学校から始まる日本の英語教育との相性もばっちりだ.

そして,英語力を必要としない,という意味で確かに「誰にでもできる」ような気がする.

だが,うちにはどうしても合わない点がひとつ,それは朗読CDのかけながし.育て方の問題かもしれないが,なおはBGMに異様に注文をつける.自分の聞きたいものじゃないと怒る(やはり甘やかしたからか).

なおままによると,最初は文句を言っていても,かけ流しているうちに次第に黙って聞くようになる,そのうち喜んでいる,とのことなのだが(ORTのときはそうしていた),本人が嫌と言っているのに親の希望で朗読CDをかけ流して英語嫌いになられても困る,と思い,最終的に我が家では諦めた.

だから,「どんなお母さん」にでもできるのは間違いないが,「どんな子ども」にも通用するわけではないと思う.暗唱するまで,どうしても同じ絵本の朗読を集中的に聞くことになるが,これを嫌がらない,というのが大前提だと思う.1ヶ月で2,3冊というが,2,3冊ではせいぜい15分.これを1ヶ月続ける,というのはうちでは無理だ(まあ,実際にはさまざまな音源を取り混ぜて使って行くことになるのだろう).

***

著者がこの「英語絵本100冊暗唱メソッド」を使った英語教室を開いているとのことだが,家でCDを聞いて絵本を開くだけなのに,英語教室に通わなくてはならない,というあたりが,このメソッドの本当のところなのだろうと思う.

つまり,CDを子どもに聞かせて絵本を毎晩読むだけのモチベーションと熱意が親の側でも子どもの側でもなかなか保てない,ということだ.1冊の本に集中してとりくむ,というのはどうしても勉強っぽくなってしまう.

逆に,親の工夫と子どもの性質いかんでは,無理なく楽しく進められるメソッドとも言える.

***

ワールドワイドキッズ受講時は,なおの拒否が少ないというのもあってCDを1年間の間かけながしまくった.音楽やチャンツになっているのが良いのだろう(まあ,「高いお金出したんだから!」と親が無言の圧力をかけていたのかもしれない).

絵本の朗読CDではなく,音楽の方ばかりなので,このメソッドには当てはまらない.

ワールドワイドキッズが終わってから,最近では我が家ではいわゆる「かけながし」はしていない.していないが,ビデオを見た後で,「歌なら聞いても良い」と言われたときに,本人が希望するかたちでアニメの音声を抜き出したものだけを再生することが多い.

たまに,朗読CDでもOKがでるが,その場合は必ず絵本を出してきて絵を眺めながら,になる.

***

全体的な感想としては,わざわざ「メソッド」と謳わなくて,たいていの親子英語家庭で,ある程度は実践している内容だったと思った.のだが,むしろ,こういう方の著書を参考にした家庭での取り組みをブログで紹介する人が増えて,自然と増殖しているということなのだろう.

あと,ご本人のお子さんたちはアメリカの幼稚園に短期留学もされたそうだ.やはり,絵本を中心としたメソッドでは会話力は身につかない,ということの裏返しでもある(この辺りは国内にいても,英会話教室やプライベートレッスンで補える).

最後,小学生になったら,というセクションの「親がぶれない」というアドバイスが面白い.「英語をやる」と決めたら,親が責任を持って続けるのだ,と.「子どもがやりたがらないのですが,どうしたらいいでしょう」という質問を受けるそうだが,「子どもがやりたがろうが,やりたくなかろうが,極論すれば関係ありません」というのが答えだそうだ.まあ,小学生ぐらいになってくれば,そんなものかも?

そういう事態にならないように,我が家の現在の取り組みを工夫しているつもりだ.

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5 件のコメント:

うらら さんのコメント...

100冊暗唱メソッド鋭意実践中のうらら家です。
英語苦手な私でも英語が始められた!っていう意味でメソッド化の意味はあったと思うのですが…

確かに…子供が合うかどうかは性格や時期もあると思います、うちも3歳のころは、はあ~?って感じで、かけ流しへの抵抗もありましたが、そうすると決めちゃうと案外大丈夫で、5歳の今ではノリノリです。

いつまでこうやって声を出して踊れるかはわかりませんが、やれる限りはやってみようと思います。

現状の様子ではメソッドのお教室など行かなくてもできるとは思うのですが……やっぱりモチベーションの維持が大変なんでしょうかね?それは英語育児のどのやり方でも結局は課題になるのでしょうがね。

masyaまま さんのコメント...

うちも英語育児のスタートはこの本でしたなぁ(笑)

やはり途中で息子の拒否があったためWKEを組み入れました(=^・^=)

絵本の読み聞かせから識字への導入方法が書かれていて(確か)識字の導入時期が来たら改めて参考にしようかなぁと思ってました。
自分で実践可能なアイディアだけ頂いてます♪

やはりおっしゃる通り、キーポイントはメゾットよりもメゾットを実行し続けられる親子のモチベーションの維持ですかね((+_+))

なおぱぱ さんのコメント...

>うららさん

勝手に紹介してしまいました.すいません(^^;
うららさんのお宅では,ヤマハの教室に通っておられるのも,やはりポイントなのではないかと思います.

メソッドとして紹介されることにより,やる気はあるけれど,英語の知識がなくてとっかかりが分からない,という人には最適の本なのですね.

今後の展開を楽しみにしています(^^)

>masyaままさん

CTPを使っておられたのは知っているのですが,この本がきっかけだったのですね.

途中で息子さんの拒否があった,ということですが,今ブログを拝見しているかぎりでは,かなり英語に関心があるようですよね.

あまり一つのメソッドにこだわることなく,子どもの様子を見て柔軟に色々と取り入れる方が,成功率が高いように個人的には思います.

ブログで報告し続けることでモチベーションを維持する,という方法も実は結構有効じゃないでしょうか.

さらにコメントをもらうようになると,お互い励まし合って,かつやりかたを参考にできますよね.

「ブログメソッド」として売り出すのはどうでしょうか.

難点は,お買い得情報を見てはモノを買いまくってしまうこと?(笑)

Marinko さんのコメント...

私もこの本は出版されたばかりの頃に読みました。

最初のほうの講師として一般英会話教室について書かれていた事はとっても共感でき、うんうん…とうなずきながら読みました。

けれども、CDを聴きながらただひたすらインプットし、暗唱する…

という内容は残念ながら私には参考になりませんでした。

なおぱぱさんがおっしゃる通り、『「どんなお母さん」にでもできるのは間違いないが,「どんな子ども」にも通用するわけではないと思う』
だと思いますし

何よりも「これで本当にうちの子はバイリンガルになりました!」というくくりではなく、もの凄い時間と労力を費やして、「理解している」程度しかまだ成果がないということと

とっても時間がかかりながら、それでいて実際の会話にすぐに役に立つものではないこと…

などが参考にならなかった理由です。


ごめんなさい辛口コメントで(なおぱぱさんに対してではなくこの本に対してですが)

でも、この本を読んでひたすらCTPを買いまくり、お子さんの暗唱のみに力を入れている方達の話を聞くと、ちょっと心配になります。

すみません、ひそかにこの本について感じていた事を、この場をお借りしてコメントさせていただきました(^^;)

なおぱぱ さんのコメント...

>Marinkoさん

Marinkoさんのように,英語教育に造詣が深く,またコミュニケーションツールとしての英語を求めておられる方なら,そう感じるのも無理はないと思います(「本当の英語習得とは…」も読ませていただきました).

でも,実際の家庭での英語教育の目的はさまざまです.

英語の音に慣れ,日本語にない音を聞き分け,発音を滑らかにして,中学生からの英語に備えるという意味では,下手な英会話教室に行かせるよりもこのメソッド,費用対効果は充分ではないかと思います.

会話力は後で必要になってから自分で磨け,という考え方もありますし.

そもそも子どもに英語をどう教えて良いかわからない,絵本なんて選べない,という方々も結構多いので,そんなとき,この本に救われる方も多いんじゃないでしょうか.