2013年9月18日水曜日

ルー語を心配する必要がない理由

親子英語を始めて丸4年、まだまだわからないこと(小学校高学年での国語力とか)もあるが、だいぶ見えてきたこともある。

そのひとつが、発話の中に日本語と英語を混ぜてしまう、いわゆるルー語についてだ。親子英語ブログでは頻繁に話題になるテーマの1つで、私も何度もなおのルー語について書いた。

ごく最近では、Marinkoさんが「日本語&英語、ミックスして喋ってしまう…?」という記事を書かれている。

我が家でのルー語についての過去記事はこのあたりだ。

4歳0ヶ月 2010年5月 ルー語は仕方ないのか
5歳1ヶ月 2011年6月 相変わらずルー語は健在…
6歳6ヶ月 2012年11月 ルー語と日本語・英語の混乱

なおの場合、英語での発話が始まったら、しばらくしてルー語が始まった。私との会話で英語の文章を話すときに日本語を混ぜてくるパターンが多かったが、日本語の文に英単語を交ぜる、というのもしょっちゅうだった。

4歳の頃はちょっと心配するほど頻繁で、5歳の誕生日すぎにはまだ「健在」だったが、一年半後には「まったく出なく」なっている。だいたい6歳頃にはほとんどなくなっていたように思う。

ちなみに、なおから聞いたルー語で一番「自然」だったのは、「ママ、これcuって~」だった。日本語と英語の見事な調和(^^;

今回は、「バイリンガル」について紹介をしたときに購入した本、"Bilingual: Life and Reality"という本を読んでいて、これはまさしくルー語についてだ!という部分が見つかったので紹介しようと思う。

言語学的には、このルー語は「拝借(borrowing)」と呼ばれるもので、ある言語体系を使って話しているときに、別の言語体系から単語を借りてきてしまう、という現象にあたる。

現在喋っている言語で最適な単語が単語が見つからないときに、話者が自然と行ってしまうのだが、ある意味当然とも言えるそうだ。

ちなみに、バイリンガルが拝借して使っていた結果、別の言語に組み込まれてしまっていくようなパターンも多く、たとえば日本語では多くのカタカナ語がこれにあたるだろう(最近の例では「アセスメント」とか)。

親子英語を始めて4年経ってわかったこと、とは何かというと、それはルー語は非常に良くあることで、特に不安に思う必要はない、ということだ。

理由は2つあって、まずこれは会話の中で話し手が多くの場合意図せずに行われるものではあるけれど、相手をしっかり把握した上で行われることが多いということ。日英両方を喋る自分の親には平気で英単語を混ぜるのに、幼稚園やお友達には英語を混ぜないというケースが非常に多い。

ごく幼い時期から子どもは言語の違いを「分かって」いるので、混乱するという心配はない。

2つめの理由は、ルー語は成長とともに消えていくから、という単純な理由だ。日本語・英語両方が通じることが分かっている私に対してすら、なおはルー語を使わなくなった。そもそも、言語体系の違う2つの言語を混ぜるのが不自然だからだろう。片方の言語で表現できるのであれば、混ぜる必要はない。

喋っている最中に、文章丸ごと言語を切り替えるのは「コード・スイッチング」と呼ばれる。ルー語もこれに分類されることもないわけではないが、単語だけ借りてくるルー語の場合、文法は元の文のままなので、「コード」を切り替えているとまではいえない。

***

この前、なおの小学校の読み聞かせボランティアに参加してきた。ちょうど出勤前に立ち寄ってできる時間帯だったので挑戦してみたが、なかなかに楽しい経験だった。

みな目をまん丸にして私の読み聞かせを聞いてくれた。

そして、必要もないのに、なおはみんなの前で必死で英語で話しかけてきた(^^; これは、どうやら自分が英語を話せるのをアピールしているらしい。親にも学校の先生にも、お友達には英語で話さないように、と言われていてるので(当然だが)、ここぞ、とばかりにアピールしたかったらしい。

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11 件のコメント:

cotton さんのコメント...

わが家は、何度か日本語文に外来語を英語アクセントで
言ってることを聞いたことあるような気がしますが、
cu って〜級のものはなかったなあと。
逆にこどもって言語を楽しむセンスあるなあって思ってしまいますが、だめなんでしょうか^^
小学校での読み聞かせボランティア、いいですねえ!
何読んだんですか?お父さんが参加は珍しいのではないでしょうか♪
なおくん、アピールというよりそれが自然ですもんねえ。お父さん来てくれて嬉しかったでしょうね^^

Gmarie さんのコメント...

うちも四歳ごろにインターの日本人クラスメートの間で、ルー語(固有名詞になってるの笑えますね)になっていて、親としたら、お金たくさん払ってるのに。。。なんて思ってましたけど、確かに先生には英語オンリーで話していました。もちろん、ルー語はしばらくしたらなくなりました。

私も読み聞かせボランティア、大好きです。
お父さんの読み聞かせなんて、素敵ですね!子ども達、きっと喜んだことでしょうね。なおくんもすごくプラウドだったでしょうね(ルー語、笑)
英語の本を読まれたのですか?

ものぐさハハ さんのコメント...

ちょうど今朝、ハナコがルー語で話していました。
地面の中を絵に描いてみようというお題で、何を描いたか尋ねると、「これは、oil。だって、Sid (Sid the Science Kid) の先生が地面にはoilがあるっていってたよ。」との返事でした。Sidの先生は、soilといっていたこと、日本語では「土」ということを教えてやりました。
ルー語以前に、正しく聞き取れていない、違う単語になってるーと、ずっこけました。(笑

マンゴー さんのコメント...

うちは夫婦間が気を抜くとルー語満載で、とくに英語で経験したことを日本語に翻訳するのが面倒なときに、ルー語だったりコード・スイッチングだったり駆使しながら話します。でも、できるだけ娘の前ではしないように気をつけています。常態化するとさすがに良くないと思って。なおぱぱさん宅ではそんなことないですか?^^;

国内の環境では英語で経験したことを日本語に置き換えて伝える、という機会が少ないから、わざわざ脳内翻訳しなければならない状況が発生しにくいので、ルー語も常態化しにくいのかな~と思っていたのですが、なおくんの場合どうでしょう? サタデーで経験した内容をなおままさんに伝えるときは、全部日本語に直しますか? うちはそういうとき、未だにけっこう和英混じります。きっと私が日本語も英語も両方話すから甘えが出ているのだと思います。よその人に対してはそういうことはなくなりましたが、語彙習得の面からも家庭内でも注意していかないといけないなぁ、と思って、日本語で話しているときは英語が出たらできるだけ日本語に置き換えてリピートするようにしています。というのも、「これは日本語で何て言うの?」と小学校に上がってからは娘自身も自然と意識するようになってきたし、祖父母など英語の分からない人に「これは何ていう意味?」と直球で聞かれたときに、いつの間にかかなり的確な日本語に翻訳できるできるようになってきたからです。和英双方向に翻訳する能力って自ずと身についてくるものなのだなぁ、と驚くと同時に、こういう面も家庭で少しずつでもサポートしていかないといけないかなぁ、と思っています。

お父さんの読み聞かせボランティアって素敵ですね! なかなかできる人は少ないと思います。それはなおくんも嬉しかったでしょうね^^

かたゆで さんのコメント...

昔読んだバイリンガリズムという本を思い出しました。
どの言語間のバイリンガルにおいても、ルー語、いわゆる単語の置き換えは出てくるそうです。
しかし同じ品詞、名詞なら名詞同士、形容詞なら形容詞同士を置き換えているのであれば文法的に問題無い。むしろ双方の文法についてちゃんと理解しているということなのですよ、と。

うちの子も日英混ざることがあり、「heavyくない」と言った時は笑えましたが、うまく形容詞を活用(?)していたので良しとしました 笑
cuってもいいセンスですね!

その本にコードスイッチングについても触れられていたのですが、興味深い話があったのでついでに紹介します。

アメリカのヒスパニックを例にあげています。
英語がわからない親の前で、バイリンガル子供同士の喧嘩が起きた場合です。
子供は英語が母語なのでもちろん初めは英語で喧嘩します。しかし子供にとっては親には自分は悪くない事をアピールしたいもの。
そこで徐々に言い争いはスペイン語のコードスイッチを交えたものになっていくんだそうです。

話者同士のみならず、周りにいる人によっても発話形態は必然的に変わりますよね。

こうした自然な多言語の感覚は、日本で培うのって難しいですね〜。

なおぱぱ さんのコメント...

>cottonさん

子どもって、理屈で考えているわけではないので面白いですよね~。

ルー語は最中はちょっと心配になるけど、終わってみたらどうってことないんですよね。

読み聞かせのとき、確かになおはとても嬉しそうでした。「これがぼくのぱぱだよ~」オーラ全開でした(^^)

>GMarieさん

バイリンガルの言語発達について詳しくない人からすると、自分の子どもがルー語を話していると、かなり不安になるかもしれませんね~。4,5歳でも相手によって話す言葉に変化が出るのがすごいと思います。

読み聞かせは「おおきなおおきなおいも」という絵本です。とっても素敵な絵本ですよ!

>ものぐさハハさん

対応する言葉を知らないと、うちの子も今でもルー語を使いますね。親子間だけですが。

それはずっこけますね~(笑) でも、ありがちです。なんどもいろいろなところで聞いて、覚えていくのだと思います。

>マンゴーさん

うちは夫婦間は100%日本語です。海外にいたときもそうでしたね。

3人一緒だと、日英が混ざるのはよくあります。私となおの英語になおままが釣られたり、私となおままの日本語になおが釣られたり、といった感じです。

そうそう、小学校での出来事を英語で表現しようとするとちょっと変換に時間がかかるみたいです。当然英語にできないものは日本語ですし。訳語があるばあいはいいんですが、ない場合はもうそのまま日本語を使うしかないかな、と最近は開き直ってます。

紹介した本の中にも、実はバイリンガルは翻訳・通訳は得意ではない、という話がでてきます。翻訳・通訳は、また別の能力で、日常生活を通じて訓練が必要なのだと思います。

読み聞かせボランティアのとき、なおはとても嬉しそうでした(^^)

>かたゆでさん

コメントありがとうございます。

今回は省略しましたが、コードスイッチングはその「戦略性」、つまり目的に応じて言語を使い分けるというのが特徴のようです。

ヒスパニックのバイリンガルが親の前でスペイン語にスイッチしたりするのは、まさしくそんな例ですね。子どもたちが自然と切り替えてしまうのが面白いところだと思います。

りゅうママ さんのコメント...

うちはあまり混ざるということがなかったんですが、知らない単語があるとその部分だけ英語になったり日本語になったりはありました。
あと、たっくんだったと思うんですが、何故かかなり長い間、cutと切る、が混ざってしまい(ちょっとなおくんと似てますが^^;)日本語の「切る」が「かる」、cutが「キット」と言ってました(^。^;)

リサ さんのコメント...

うちは、長女の場合、日本の学校に転校してしばらくはルー語が多かったですね。。単に母語が英語から日本語に変わっていく過程だったように思います。

長男はいまだにルー語はあまりないのですが、文章単位で日本語と英語が切り替わってしまって突然英語を話し出したり、日本語でしゃべりだしたりします。

といいつつ、どちらもわかる相手には私も混ぜてしゃべってしまうので、どちらかに固めないとだめですね^^;

なおぱぱ さんのコメント...

>りゅうママさん

かるとキット、よく考えると似てますよね~。

知らない単語を別の言語で置き換えるのは、今でもやります。特に対応する言葉がない場合、しかたがないかな、とも思います。

>リサさん

母語が切り替わる際にはルー語が多くなる、というのはありそうですね。うちも日本語オンリーから英語を導入したので、ルー語が目立ったんだと思います。

うちは方針として私が英語、ママが日本語ですが、ママは釣られて英語になったりすることもあるので、意識的に一つの言語に絞るのはなかなか難しいのかもしれません。

子どもに見本を見せる、という意味でも統一した方がいい、というのはありますね。

ケイ さんのコメント...

はじめまして、ケイと申します。
いつもなおパパさんのブログを参考にさせていただいています!
我が家はまだ息子が2歳なので、過去の取り組みなどを参考にさせて頂いていて新記事はなるほど~!先々のために覚えておこう!という感じでいつも拝見するばかりです(>_<)

息子は最近ようやく言葉が出始めたところで、まだまだルー語を心配する前段階なのですがとっても参考になりました!

私も息子とは基本的に英語でコミュニケーションをとっているのでついつい先の色々なことを心配していましたが、よく考えたら日本語を話す英語圏の友人との会話で、私も友人も使いやすい(ニュアンスを上手く表現できる)方の言葉や単語を使ってルー語で話していることがあります(笑)

そう考えるとそんなに悪いことでもないし、通じる相手に通じる言語を選択して使うというのは普通というか、コミュニケーションの手段としてはありですもんね!
なんだかなおパパさんの記事を読んで、ずっとひっかかっていたモヤモヤがスッキリしました♪ありがとうございました☆

これからもなおパパさんのブログも参考にさせて頂きながら、親子英語頑張っていこうと思います♪
長々とコメント失礼しました。

なおぱぱ さんのコメント...

>ケイさん

はじめまして。ブログをご覧いただきありがとうございます。

これからもよろしくお願いします~。