2019年3月18日月曜日

「2月の勝者」についてつらつらと(5)

意外と身内に評判の良いこのシリーズも5回目。今回は、今まで触れたトピックを少し深く考察してみよう。

まず、中学受験を「特急券」に例えるのは適切だろうか。

基本的には、授業料と通学時間・費用を無視すれば、私立の中学校は公立よりも望ましい環境を提供してくれるだろう。

「特急券」という表現で想定されているのは、目的地が大学合格ということ。この点に絞って考えると、高校受験でカリキュラムが分断されない中高一貫はその点有利だ。さらに中学受験で実質的に中1~中2の内容まで先取りしてしまっていることもあって、中学入学当初から授業をすごい進度で進めることで、高3では大学入試勉強に専念する、というような話を聞く。

中学受験を勧める本や雑誌記事などを見ると、こうしたことが中学受験の利点として語られることが多い。

ただし!

すべての中高一貫校でこうした取り組みをしているわけではない(進度が早いのはごく一部のトップ校だけのような気もする)。むしろ、高校受験がないがゆえの中だるみが指摘されることもある。

そういう意味では、必ずしも「特急券」とはいえないだろう。

私立中学校の魅力は、生徒が自分に合った学校を選べる、という点にある。地域の公立中学校に進学する場合、一切何も選べない。私立なら、大学受験に特化したカリキュラムを組んでいる学校もあれば、面倒見の良さを売っている学校、英語教育に力を入れている学校、エスカレーター式で上に上がれるから青春を謳歌できる学校も。

校風も、指導が厳しくてしつけがしっかりしている学校も、ゆるゆるで自由な学校もある。

また、私立中学進学は、子どもの特性的に、公立は避けたい、という場合もある。「2月の勝者」でも、そんな子が登場していて、本当に良くできた漫画だ。

日本の公教育は良くできていると思うが、均一化の圧力が過ぎるあまり、うちの子のようなタイプには向かない。もっとも、私立なら何とかなるかどうかは、これから体験することになるのだけれど。

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