ここで言う「ルー語」というのは,早期幼児英語教育で良く話題になる,日本語の文章に英語を交ぜたり,英語の文章に日本語を交ぜたり,というものだ.
うちのなおは,もうルー語はあまり見せない.が,文章,というかかけ声のようなものが日本語になることはたまにある.
私と話しているときは98%ぐらい(適当な数字だ)英語なのだが,なぜ100%にならないのかなあ,と考えていた.
もっと幼い頃は「英語モード」のようなものがあって,スイッチが入ると英語になる,という感じだった.今は,話す相手で切り替わる.私のときは英語,なおままのときは英語/日本語,という感じだ.
そしてひらめいたのだが,なおが私相手でも100%英語にならないのは,「その必要がない」からだ.私はなおが言っていることは英語でも日本語でもわかるのだから,どちらで話しても伝わることをなおは知っている.
このあたりに,苺ママさんが書いておられた「これからの語りかけのアドバイスをいただく」にある「親は2カ国語を混ぜない方が良い」という先輩からの助言の理由があるのかもしれない.
2カ国語をある程度平行して発達させている子どもの場合,自分がどちらの言語を今話すべきかというコントロールが重要になってくる.のだが,両親が2カ国語を話す場合,家庭では重要性が低くなってしまい,ルー語という現象が起きるのではないだろうか.
逆に1人の親が一言語を担当するきまりがしっかりしていれば,言語の切り替えを早い時期にスムーズに学べるのだろう.
じゃあ,その原則を無視している我が家の場合どうなるのか,というと.
まあ,特にどうということはないのではないだろうか.言語の切り替えは,別に家庭でなくても外でしっかり身につけられるはず.特に,日本語しか話せない相手に日本語だけを話す訓練は,日々幼稚園で行っている.
クリスマスに従姉妹たちを相手にしたときは英語が飛び出していたが,お正月におじいちゃん・おばあちゃんに従兄弟の場合は,割ときちんと日本語だけになっていた.電車で隣のおばさんに話しかけられたときも日本語になる.
活動の場が広がれば広がるほど,日本語を話すべき状況で英語が出ることは減っていくはずだ.
言葉はどうしても経験から学ぶものなので,日本語での経験と近い状況だと日本語が出て,英語での経験と近いと英語が出てしまう.たぶん,従姉妹三姉妹と遊んだときは,私の姪たちということもあって,私と遊んだときの「感触」にそっくりで,そして英語になってしまったのだろう.
幸い,今なおは幼稚園で別に何か軋轢を感じているわけでもなんでもないので,このままの状況を維持しつつ,小学校入学に向けて準備をしていけば良いだろうと思う.
小学校に入学後は,ほとんどの知的活動と人間関係を日本語ですることになる.その後は,いかに英語を維持するかで精一杯のはずだ.
問題は,英語だけを話すべき環境を家庭だけでは作りづらいこと.これは,この前行かせた英会話教室なんかでも同じこと.「お友だち」には日本語で話すべきだ,というのがだいぶ染みついてしまっているから駄目だ.このあたりは,悩みの種だが,おいおい考えていくことにしよう.
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8 件のコメント:
うちは人と場所で使い分けてましたが、今は英語モードになるのは家だけで、しかも、促さないと日本語ばかりになるときもあります--;
日本語に英語がどうしても追いつかないので、英語だけで生活することを維持できなくなったんだと思います^^;;
それがうちの悩みの種かなあ・・
ネイティブの小学生に比べて自分の英語力が勝ってるわけがないので、私が語りかけても限界があるのかな~と・・。
今はプリスクールで英語環境が整っている我が家は、これからはやはり母国語で語りかけた方が良いのでしょうね。
でも卒園後は日本の公立小学校に進む予定なので、その後はまたいきなり語りかけを再開するのか、それとも小学生になればそんなことは気にしなくても良いのか、、、、今から悩む所です。
幼稚園の環境、両親の英語力など各家庭条件が違うのでなんとも答えは出ませんが、多くのケースがこうやってブログで公開されて行けば、その内最適な方法も見えてくるのかもしれませんね(^^)
>りゅうママさん
遅かれ早かれ、外で学ぶ日本語に家で学ぶ英語が追いついていかなくなります。それは、海外に移住したケースをみてもはっきりしていると思います。
うちも、きっと年長になる前には家での英語率が激減するだろうと思います。
日本人が日本でやる以上は、両方100%なんて目指さずに、ストレスかけずに楽しくやれればいいのかなあ、などと思っています。
>苺ママさん
一度日本語に直して、後から英語に戻すのはちょっと難しいかな、と思います。
特に小学生にでもなれば、「なぜお母さんはわざわざ英語使っているの?」とか真顔で聞き返されそう。
さらに、小学生になってくると、親の英会話レベルが子どもに身につけさせたい英語のレベルに追いつかなくなってくるのかな、とも思っています。
英語プリスクールに通わせてらっしゃるなら、卒園生向けのプログラムとかないでしょうか。
うちも、小学校入学後の英語環境について今からいろいろと考えています。家庭ではワーク、読書、Webレッスンでサポートという感じでしょうか。
遅くなりましたがあけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。それとリンクありがとうございます!
全ての記事熟読してましたが、なかなかコメント残せず読み逃げばかりしてました^^;
うちの場合は親が2言語混ぜないとか同じ文章に英語と日本語を混ぜないとか母語をおろそかにしてはいけないとかよくきく英語育児のタブーを全部してます。
別に率先して取り入れてるわけではないのですが、どうしても英語が母語でも得意でもない私の家族ではこれを避けることはできませんでした。
ただなるべく減らす努力はしていましたけどね^^
そして5歳の今だけみてどうなのかと判断はつかないのですが、現段階では人と場所によって言語を使い分けるし、どちらかの言語でわからない単語が混ざる以外はルー語のようなこともなくなりました。
ただ国語力を問われるとまったく未知です。今後は来年小学校に上がることもあり、日本語にも力を入れていく予定なので、今まで以上に親が2言語を話す状況は増えそうですけどね。。。
ここで書かれている「ルー語(あの人、どこへいっちゃったんだろう?最近TVとかで見ないですね・・・私があまりTVを見ないだけなのかな?)」現象は、6歳以下のバイリンガルの子供の正常な言語習得過程における特徴のようです。
別の方のブログにもコメントしたのですが、
正常な2ヶ国語同時習得の過程で、決して「混乱している」わけでも、「言語障害がある」わけでもなく6歳以下の子供は、言語を認識・整理している途中なのでこのような現象が起こるそうです。
原因はメタ言語能力:言語を一つの物・事象としてとらえ、語彙、音韻、文法を角度から分析する能力、が発達途中だから。説明すると長くなるのでここでは短く書いておきますね。健康な子供であればメタ言語能力が発達し機能する6歳頃には、ルー語現象は自然解消するそうです。
お子さんが「もうルー語があまり出なくなった」のは、6歳近くになってメタ言語能力が完成してきたのでしょうか。
また、この人は日本語しか分からないから日本語で、この人は英語しか分からないから英語で。という振り分けも健常児なら発達と共に自然にできるようになるようです。
なおパパさんが推測されるように、どっちも分かる人に対して、どっちでもよい環境で、どっちでも通じる掛け声のような言葉などは、どっちでもいいので、その時々の気分でその瞬間に頭に浮かんだ方で、自然に言っているのでしょうね!
また、お父さんは英語のみ、お母さんは日本語のみで子供に接する。父には英語、母には日本語と分ける、というルールはOPOL One Parents One Language という方法で、国際結婚などで多言語多文化家族の場合に推奨される事が多いようです。
各親がそれぞれのネイティブ言語をつかうようにするという方法で、ネイティブがネイティブ言語を教えたほうがいいから。
それは子供の言語切り替えの為というよりも、「両親の継承言語として」という意味あいが強いのではないかと思います。
親が頭で考えてから言う言葉でしか子供と会話できないのでは悲しいので、子供は、どちらの親とも、心から自然に湧き出る母語で会話で会話できるように訓練する意味合いが強いのでは。
言語を継承することは親の文化を継承すること。言語と文化は切り離す事ができないからです。
両親日本人で、バイリンガル教育をしている場合にはOPOLルールをあまり徹底する必要も感じません。逆に、家族内で母国語でない言葉でしか子供と話せないなんてルールは子供にとっても親にとっても悲しい事だと思います。
特に常に幼児期の子供と一緒にいる専業主婦の母親の場合はストレスが溜まりそうです。子供はそういうストレスをとても敏感に感じ取るものですよね・・・。
国際結婚の家族で、家庭で日本語が禁止されているために子供と外国語でしか話せない日本人のお母さんの話があって、とても辛そうでした。その方はそれなりに外国語がペラペラのようでしたが、それでもやはり母語で子供と話せないのは残念ですよね。言葉の機微というものがあります。
親自身が超バイリンガルで英語もネイティブレベル負担無くペラペラというならともかく、一般的な日本人レベルの英語力なら、親のセミリンガルレベルでの英語語りかけをずっと続けるよりは、子供の言語能力や年齢がある程度あがってきた時点で、家庭では日本語に専念して、英語はネイティブの環境があるならそれに任せた方がよいという側面も含めたアドバイスだったのではないかと推測しています。
すみません。
とても長くなりました。
バイリンガル家庭における小一の壁に関してはまた次回にします。
バイリンガル育児の実況中継ブログとして非常日興味深いです。楽しみにしておりますので、更新頑張って下さいね!
>Noryさん
こちらこそ、よろしくおめでとうございます。
私もNoryさんのブログ、読ませていただいてます。
小学校に入ってからは、学校の勉強をしっかり親がフォローしていく、場合によっては学校で学ばないような内容も、どうしてもなりますよね。
でも、いわゆるタブーはさほど気にしなくてもいいんだな、というのはNoryさんの体験談をお聞きしてもわかります。
>世界の絵本読み聞かせ会さん
細かい解説ありがとうございます。
私もテレビを見ないので、そもそもルー大柴本人をテレビで見たことがないのです(^^;
5歳、6歳、このあたりが節目ですね。逆にこのあたりでまだ混ぜて使って、その場に適切な言語が選べないとまずいですね。
多言語の問題は、移住や帰国子女のように、文化摩擦やカルチャーショックの問題と切り離せないので、ケーススタディもそちらに偏りがちです。
日本で日本人がやる場合、前提が違うので、必ずしもそういった事例の結果得られた「常識」にとらわれる必要はない、ということには同感です。
あけましておめでとうございます。
この記事に、食いつかないわけにはいかないです(笑)
コメントも含め、とっても興味深いです。
自分ちが3言語混ぜ混ぜなので、ついつい、「混ぜてても大丈夫だったよ~」という言葉を求めてしまいます(苦笑)
>Cassisさん
あけましておめでとうございます.
日本に住んで日本人に囲まれている場合,いかに外国語の環境を作るか,という方が,言語の切り替え云々より遙かに難しい問題のような気がします.
マルチリンガルの環境作り,大変ですけど,楽しみでもありますよね!
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