2019年3月10日日曜日

「2月の勝者」についてつらつらと(2)

次は2巻目。

二月の勝者 ー絶対合格の教室ー (2) (ビッグコミックス)二月の勝者 ー絶対合格の教室ー (2) (ビッグコミックス)


予定されている「大学受験改革」について説明がある。2021年度、つまり現在高2の学園が受験するときから段階的に導入される「大学入学共通テスト」のことだ。

国語と数学で記述問題を取り入れて、思考力・記述力を測るのが目的だという。作中の問題は、大学入試センターが2017年に公表したモデル問題の一つだ。

作中では公立高校2年生の生徒のセリフとして「今の学校の授業だけではこの問題は解けない」とあるが、実際には、高校で国語の授業を受けなくても、受験勉強をしなくても、この問題は解ける、と考えるべき。そもそも「国語」の学力を測定しているとは言えない。

これはあくまでもコンセプトモデルのようなもので、私の感想のような批判も含めて、多くの問題点が指摘された。その後2017年と2018年に試行問題が作成され、実施されている。

詳しい分析としては予備校によるもの(こちらとか)が参考になる。

いずれにせよ、思考力(それが何を意味するにせよ)を測定しよう!と斬新な問題を作ると、正解率が異様に下がり、みんな解けなくて、入試に使えない、ということになり、現在のセンター試験の内容と形式、レベルに回帰していくことになる。

この共通テストを受けるのはトップ大学の受験生だけでなく、私立大学受験生も含めて幅広い層が受験する。それも考慮して、2018年版の記述問題はぐっと易しく(解きやすく)なったようだ。難易度はこれから調整が続くだろう。それにしても、2021年度から数年は受験生(の進路)が実験台のようなものだ。受験生をないがしろにしている、と感じるが国の方針なので、仕方がない。

記述問題の配点が大きすぎると国語の学力が点数に反映されづらくなるし、かといって試験時間を大幅に増やすのも無理。結果として、記述問題は比較的平易な問題が続くのではないだろうか。

特定の教科の勉強が役に立たない、(私は嫌いな言葉だが)「地頭」勝負の問題に戻るのか、高校入試での国語の記述問題に毛が生えた程度のものにするのか、2019年度の試行問題で結論が出るはず。

中学入試との絡みで言うと、我が家で使っていた準難関までがボリュームゾーンとなる四谷大塚の予習シリーズの国語で出てくる記述問題などはかなりハードで(特に6年生)、対策としては申し分ない。中学入試の勉強が6年後の大学入試に役立つ、というのは的外れではない。

ちょっと書きすぎたので、2巻の後半は別の記事にしよう。

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