マルコム・グラッドウェルというジャーナリストが書いた「急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」は、ベタなタイトルだけれど、全米でベストセラーになったものだ。飛鳥新社から「ティッピング・ポイント」というタイトルで出版されたものが、ソフトバンクから出版されたらしい。この本のなかに、幼児教育番組の草分け、セサミ・ストリートとブルーズ・クルーズについて裏話が載っている。
1960年代に始まったセサミ・ストリートの制作では、テレビ番組を教材としての利用を研究していた発達心理学者がチームに加わっている。作成した番組を子どもに見せながら、徹底的にどこで子どもの注意がそれるか、気が散るか、を調べた、というのだから、歴史に残る番組になったのも当然だ。
1996年に始まったニコロデオンのブルーズ・クルーズは、さらにセサミを超えるべく作られた。数分のクリップの寄せ集めではなく、30分で物語を作る。ブルーという犬が、飼い主スティーブに何かを伝えるために足跡でヒント(Clues)を出し、その謎をスティーブが視聴者の子どもと一緒に解いていく。セサミにあったような、大人がクスリと笑えるような風刺やペーソスなんかはまったくない。大人が見てもさっぱり面白くないこの番組、子どもにはセサミを超える人気と教育効果を持つ番組となった。作成の裏にある様々な児童心理の研究や番組作成の工夫なんかは、グラッドウェルの本を読んで欲しい。
初期のセサミ・ストリートのビデオは、今はOld SchoolとしてDVDボックス化されて売られている。うちは1と2を両方買った(やはりママの趣味)。ビデオの最初の注意書きには、「このビデオは大人が鑑賞するためのものです。現代の子どものニーズにはそぐわないかもしれません」といった注意書きが表示される。ブルーズ・クルーズの改革から、その後、子ども番組が進化を遂げていった、そのことを言っているんだと思う。そして、その進化はドーラやリトル・アインシュタイン、ミッキーマウス・クラブハウスに続いている。
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